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7月 14 2012

日本登山地図(TOPO10MPlus) vs 日本地形図25000(その2)

日本地形図(TOPO10MPlus)とTKA 日本地形図25000との比較さて、TKA社の日本地形図25000とガーミン 日本地形図(TOPO10MPlus)との地形図比較の(その2)です。(その1)では、GPSストア周辺の市街地での比較でしたが、今回は、山岳部での比較をしてみます。
TKA社の説明では、「国土地理院発行 25000/1の紙の地形図忠実に再現した地図を収録」となっていますが、実際にはどうでしょう?

その前に、(その1)では価格の比較をしておりませんのでしたので、そこに触れておきましょう。

・GARMIIN 日本登山地図(TOPO10MPlus) 17,850円(税込)
・TKA社 日本地形図25000 全国版 24,800円(税込)

という事で、 6,950円の価格差があります。

では、急峻でゴツゴツした地形ですぐに思い浮かぶ白馬の不帰で比較してみましょう。
「国土地理院発行 25000/1の紙の地形図忠実に再現した地図を収録」という事で、国土地理院の地形図をカシミールで表示したものを左に、中にGARMIN 日本地形図(TOPO10MPlus)、右に TKA社日本地形図25000を並べてみました。

TKA 日本地形図25000 vs GARMIN 日本登山地図(TOPO10MPlus) 不帰剣

実際の地形図情報がわかりやすいように、日本登山地図(TOPO10MPlus)はOregon本体側の切り替えで、地形陰影表示を消してあります。私自身も、複雑な地形のルートを通過する際は設定変更で地形陰影を消す事が良くあります。

Oregon450TC/Oregon550TCでの本体操作は、

設定 > 地図 > 詳細設定 > 地形陰影 > 表示しない

となります。

TKA社日本地形図25000は、上記本体操作を行っても地形陰影(正確には斜度別の彩色)は消す事が出来ません。これは、日本登山地図(TOPO10MPlus)がDEM(デジタル標高データ)を収録している事に対し、TKA社日本地形図25000は単なる「絵」として持っているためです。地形陰影と傾斜データの件は、また、後で触れます。

地形図として、最も重要である等高線に注目してみましょう。
TKA社日本地形図25000には崖マークが収録されていないのがわかります。稜線西側は急峻な崖なのですが、等高線が崖マークの分開いており傾斜データも傾斜20~30度という色合いになっていて、滑るにはとても気持ち良さそうです。

国土地理院が販売しているデータを元に、ちょっとした知識があればガーミン用のベクトル地図データとして生成する事が可能です。しかし、「崖マーク」を入れ込むことは簡単ではありません。これは、ガーミンの地形図が辿ってきた歴史を見てもわかります。
最初にリリースされた、日本地形図(TOPO)は50m等高線、日本地形図(TOPO10M)は10m等高線+5万分の一縮尺の崖マーク、日本登山地図(TOPO10MPlus)から10m等高線+等倍の崖マークという遍歴を辿っています。
「国土地理院発行 25000/1の紙の地形図忠実に再現した地図を収録」という宣伝で、クレームが来ないのか?少し心配になる差異が出てしまいました。

今度は、Oregonの地形陰影表示を「表示する」にしてみましょう。

設定 > 地図 > 詳細設定 > 地形陰影 > 可能な場合表示

そして、300mスケールで表示した立山の室堂ですが、国土地理院の地形図は縮尺を合わせると等高線が混雑しすぎて読み取り不能ですが、電子地図の両者は等高線を50mコンターのみに間引きしているために、判別が可能です。
等高線の間引きを行うと、地形の傾斜に対するイメージがしづらくなるのですが、 GARMIN 日本登山地図(TOPO10MPlus)は地形陰影が効いているために、称名川と室堂乗越しの地形変化がイメージ出来ます。
TKA社日本地形図25000 は、ポリライン処理の荒さが目立つカクカクの等高線等、なかなか厳しい状況です。
地名が邪魔で等高線が隠れてしまってもいます。

TKA社日本地形図25000 vs GARMIN 日本登山地図(TOPO10MPlus) 立山室堂

これを見てもわかるように、TAK社日本地形図25000は傾斜データ彩色が有効になるのは、200mスケールからという事のようです。

では、同じ室堂を中心にして、各スケールでどのように表示差があるか確かめて見ましょう。
50kmスケールから、120mスケールまでをそれぞれ表示してみましょう。
まずは、GARMIN 日本登山地図(TOPO10MPlus)です。

GARMIN 日本登山地図(TOPO10MPlus) 立山室堂50km-120m

個人的に50kmスケールで表示した時の日本列島の山脈と真っ青な日本海の対比が好きです。
当たり前ではありますが、地名表記はスケールつられて大きくなったり小さくなったりはしていません。

では、TKA社製日本地形図25000です。

TKA社 日本地形図25000 立山室堂50km-120m

何枚もの地図をスケールごとに引き伸ばしながら差し替えるという処理をしていますので、地名表記が大きくなったり小さくなったりしているのがわかります。5kmスケールと3kmスケールのギャップが激しいですね。

最後に、尾瀬の山の鼻で3種の地図を比較して見ましょう。

TKA社 日本地形図25000 vs GARMIN 日本登山地図(TOPO10MPlus) 尾瀬山の鼻

TKA社 日本地形図25000 vs GARMIN 日本登山地図(TOPO10MPlus) 尾瀬山の鼻

いいよねっとさんは無料公開している、「日本全国山小屋避難小屋」データが転送されていますので、地図情報に収録されていない山小屋アイコンが表示されていますので、その点をご留意下さい。
湿地帯の表示に関しては、国土地理院の地形図とTKA社日本地形図25000は全く異なっています。 TKA社日本地形図25000は地名と湿地帯表記が重なり、文字の表記が確認しづらくなっています。

しかし、ここで注目して頂きたいのは、 GARMIN 日本登山地図(TOPO10MPlus)にのみに収録されている登山道の存在です。
ビジターセンターの北西にぐるりと赤線で描かれた登山道がありますが、これは、昭文社の契約調査員が実踏にて調査したものです。  GARMIN 日本登山地図(TOPO10MPlus)には、こういった、国土地理院の地形図に未収録の登山道も数多く収録されています。

さて、(その2)はこのあたりで終了にしようとおもったのですが、このエントリーをポツポツと作っている途中に、TKA社日本地形図25000には「忠実再現モード」というデータ追加されたようです。
特に、新データ公開のデータも届きませんので、新規購入者の特典なんでしょうか?
ナビ本体の設定で変更する事は出来ず、microSDを2枚用意すれば良いのかもしれませんが、自宅でどちらかの表示を決めていく必要がありそうです?
サイトの画像を見る限り、等高線も「絵」としているように感じます。 それに伴って傾斜データ表示の彩色も無くなっています。
「絵」ですと、当然ながらデータは重くなりますし、ズーミング時にはカクカクの表示になりそうですが、どうなんでしょうか?

それよりも何よりも、本当に「忠実に再現」されているようですが、現実的にそうなりますと、測量法の29条に違反してしまう恐れがあります。
測量法では、そっくりそのままのコピーを許していませんので、この「忠実再現モード」の地図は承認を得られない(得ていない)のではないかと思われます。
詳しくは、国土地理院のページをどうぞ。

以前、カシミールが電子国土の読み込み機能を実装した際、一夜にして機能変更した事がありました。
その時、最初にリリースされたものは地図表示時に陰影が付いていなく、そっくりそのまま「忠実に再現」というか、無加工のデータが扱えましたが、翌日にバージョンアップされたものは陰影表示が外れないものになっていました。

TKA社日本地形図25000は、英語版機種用の日本語化ソフトとバンドルされて販売されていますが、ネットを検索しているとここで使われているフォントのライセンスがどうのという記事が見付かったりと、「忠実に再現」の件も併せ、少し心配になってしまいます。

さて、では(その2)はこの辺で終了とさせて頂き、(その3)では、検索や「登山道ナビ」の実用性などの比較を予定しています。